2024.12.20他問自答(LDNの考え)|
国の仕事で中小企業支援に特化するようになってから約6年。
1日あたり4~5件、年間で600~700件の経営相談に対応していると、相談の約9割は「売上拡大」「販路開拓」といった【営業面の相談】であることが判明しました。
「人がいない」「お金がない」「時間がない」などのナイナイ問題に加え、「営業が苦手」という声が非常に多く、根深い問題となっています。
ある意味、中小企業最大の悩みは「営業苦手意識」と言っても過言ではないでしょう。
特に、「来た注文をこなす下請け業務」が多かった企業や、「いいものを作れば売れる時代」を経験した職人気質の企業には、強く見られる傾向です。
私自身、様々な業界で営業畑を歩み、バブル崩壊後に飛込み営業・ドブ板営業を経験してきただけに、「営業ぎらい」の気持ちはよくわかります。営業部門の責任者だった頃、東日本大震災後の営業はツラかった。。。
ただ、私自身が長年営業をしてきたからこそわかるのですが、この「苦手意識」を克服するには、実はある発想の転換が鍵になることがわかりました。その突破口になったのが、まさにPR思考を学んだ先にありました。その気づきを一枚のスライドにまとめたのがコチラです。
営業の責任者は、売上の目標金額も重責となるので、どうしても「売ろう、売ろう」というセールスマインドが抜けません。
しかし、実際の交渉場面では、こちらが「売ろう」と思えば思うほど、相手は「売られまい、買うまい」とバリアを固くするのが現実です。そして、これはイベントでの「集客」も、広報での「情報発信」も、根っこは同じ。どれも「自分(自社)が主語」になっている間は、やっぱり上手くいきません。
しかし、自意識を取っ払い、「無私・無我」になって目の前で起きている現象を、離れて俯瞰して見ると、「それじゃ売れないよな」と思うことが多々あります。逆に、
「どうやって売るか?」ではなく、「どうしたら売れるか?」
「どうやって集めるか?」ではなく、「どうしたら集まるか?」
「どうやって伝えるか?」ではなく、「どうしたら伝わるか?」
と考えると、上手くいかなかった理由・原因が見えてきます。
そのほとんどは、売り手目線・作り手目線になっていることが多く、買い手・受け手の気持ちを考慮していない。あるいは、実際に買おうと思っても、「どこで・いくらで売っているのかわからない」のように、アクションまでの導線が途中で切れていることも少なくありません。
なので、これまでの視点をちょっと変えて、
「売れる」「集まる」「伝わる」という【顧客視点】の発想で点検してみる。
【顧客視点】に立ち、顧客との接点(タッチポイント)を「量と質」の両面から、どんな工夫・改善を施せば、より円滑に事が進むか?そのヒントが見えてきます。
ぜひ、「売る」から「売れる」、「集める」から「集まる」、「伝える」から「伝わる」の目線で再点検してみてください。
そうすると、どこに欠点があったのかが判明し、そのテコ入れをするだけで「売れ方」が変わります。
字面上はわずかな違い。なのに、事業の明暗を分けるほど、大きな差を生む分岐点。時には会社の布陣を変えねばならぬほど、最重要事項です。これが【売れる化戦略】の原理原則であり、当社の基本姿勢です。